猫たちの聖夜 (Hayakawa novels)

猫たちの聖夜 (Hayakawa novels)


連続殺人事件の犯人を追う推理小説−−−−ただし、登場人物がほぼ全員猫。
探偵役も被疑者も被害者も犯人(犯猫?)も猫。
とはいえ、舞台設定はまるっきりファンタジーではなくて、現実に生きる猫達の話。


愛くるしい登場人物、いや、登場猫物達とは裏腹に中身はブラックでシビアでグロテスク。
下手な人間の推理小説よりもその面が強いかもしれない。
犯人も相当背景が暗いし、目的は普通の人間以上の事を平気で考えてる。
可愛らしさをこの本に求めると失敗します。
そんな中、主人公フランシスの語り口はユーモアに富んでいて読んでいてとても楽しかった。
ラストもハッピーエンド。フランシスは本当に前向きで明るくていい奴だと思う。大好き。


クライマックスを読んでて「ドラえもんのび太の雲の王国」辺りを思い出したよ。


大学の図書館で借りたのでハードカバーでした。現在売られている方は文庫版