吸血鬼伝承―「生ける死体」の民俗学 (中公新書)

吸血鬼伝承―「生ける死体」の民俗学 (中公新書)


吸血鬼、と聞けば真っ先に『美女の首から華麗に血を吸う紳士』が思い起こされるけれど、
この本で扱う「吸血鬼」はあくまで吸血鬼発祥の地東欧に伝わる吸血鬼に重点を絞ったもの。
その中には紳士な吸血鬼はいない。
吸血鬼=生ける死体と定義されているのだが、どちらかというとまるでゾンビみたい。


ハンガリーには吸血鬼伝承があまり無いってのはちょっと驚きかも。
吸血鬼が血を吸う事は多くないってのも、なんだか言葉的には変かもしれないけれど、
伝承だけだと吸血行為はあくまでおまけにすぎない事が多いのね。
また、妄想もまた論理であり、その対処に論理を失うことは決してない。ってのは納得。


でも1番印象に残ったのは、この本の冒頭にあるどこの地域よりも、アメリカでは
「吸血鬼が実在すると思うか?」ってアンケートで27%も「Yes.」だったってとこかなー。
映像の力が凄いのか…なんてーか…。