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- 作者: 村上春樹
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2004/11/16
- メディア: 文庫
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結局下巻は見当たらず、新刊で買った。
村上春樹の小説にしては珍しく、現代に生きる私たちにも通じるものはあるけれど、
でも、その時代の人が読んだ方が分かるんじゃないかって気がした。
刹那的にずっと生きていて、何を失おうがどうなろうが感情表現が殆ど無かった「僕」が
徐々に感情を露わにしてくるところが、良かったかな。
全体としてはそういうストーリーなんだと思う。
少し物悲しく空虚に見えて成長ストーリー入ってるかもしれない。
寂しさというのは悪くない感情だった。とか、僕にも腹をたてる権利はあるとか、最後とか、
そういう箇所で分かるけど、こうして見るとまるで作者に対して怒ってるみたい。
紙に書いた落書きが、勝手に動きだしたみたいだ。
村上春樹の小説の主人公って、無関心で、刹那的で、脱力的で、クールに装っているけれど、
実は心の中は熱血なんじゃないかとか、そんな風に思ったり。
でも、29歳って青春なのかな?長い青春だな〜…。