海がきこえる (徳間文庫)

海がきこえる (徳間文庫)


読む前に見た評判に比べて、それほど良いとは思えなかった。


先に見たのは、アニメ版。
中学生の頃に「そういえばジブリ作品でこれだけ見たことがないね」という話になって、
友達数人と鑑賞会をやったのがきっかけ。その時もぱっとしないなぁ、という感想で、
中学生の時だからかな、と思ったけど、今読んでもあまりぱっとしない。


こういう青春時代をおくってないからかな。
学校という狭い世界に大人の事情が加わってくる多感な時代、というのは分かるけど、
女子高育ちで高校時代は同じ年頃の男子とは縁が無かったし、こんな恋愛もしなかった。
この話の中心が、「男の子から見た女の子の気持ちって分からない」というところにあるから、
女性である私には(とはいえ、作者が女性なのでその辺りは良かったけど)その辺も共感できなかった。
この本を読んで喚起されるはずの懐かしさが、私にはしっくりこなかったんだ。
少し古臭い印象も受けるのは、うーん。
高校生から大学生でこういう恋愛って、今あんまり無いのかも…。(嫌な時代になったなぁ)


最初土佐弁で話していた拓が、東京に馴染んでいくにつれて徐々に標準語になっていくところは
芸が細かいなーとは思ったけど。