夏への扉 (ハヤカワ文庫 SF (345))

夏への扉 (ハヤカワ文庫 SF (345))


人生に行き詰った(もとい、行き詰る羽目になった)男が、ドラえもん方式で見事大逆転する話。
名著だし、現に人に勧められて読んだんだけど、泣きそうになった…。感動したよ…。
1番良いのが、主人公のダニエルが未来に前向きなとこ、かな。
最後に言ってるけど、絶対に過去は未来に勝てない、って実に前向きで良いと思った。
それ位前向きだから、自分の運命を変えられたんだろう。
だって考えてみれば、1970年に戻った時点で多分、リッキーと一緒に行っても良かったんだよね。
でも、彼は2001年に向かったわけで…。
勿論、あのお金の問題とかもあったけど、彼は生まれ故郷の過去にはしがみつかなかった。
序盤に様々な複線があって、それを後から思い出したり読み返すのも楽しかった。


それにしても、アシモフもそうだけどこのまま地球の人口は増え続ける一方だと思われてたんだ。
まさか先進国が少子化で悩んでるなんて、思わなかったんだろう。
視覚で分かりやすい未来像が多いよね。
ロボットとか、動く歩道とか、でも実際の2000年は…進化はしたけど、
考えられていた未来像よりかは視覚的には地味だ…。
この小説が発表されたのが1957年だから、この小説の中の1970年も、ちょっと未来っぽい。
1957年から見たら…2000年は遠いね…。そう考えたら、この話の壮大さが分かった気がする。


2000年を過ぎた今、読んでよかったなぁ。