虹の天象儀 (祥伝社文庫)

虹の天象儀 (祥伝社文庫)


一言で言っちゃうと八月の博物館プラネタリウム版。過去に行ったり、未来の人物が出てきたり。
過去から未来のプラネタリウムに繋げる話は、中々素敵だったけど織田作之助は…?
主人公が織田作之助にどうしてそんなに思いを抱いていたのか、ちょっとわからない。
というか、全体的に主人公の行動の動機が伝わってこない事が多い。
柿沼誠子に対する思いも、「あれ?いつの間に?」と思った。
誠子はともかく、秋山を助けたい、って気持ちも唐突な感じがしたし。


プラネタリウムについての話はとても素敵。ほんとにプラネタリウムって不思議な魅力がある。
プラネタリウムはムードに使われる事は多いけど、題材に使われる事はあんまり無いんじゃない?
織田作之助はよく分からなかったけど、プラネタリウムに対しての主人公の愛はよく分かった。
そういう意味でカール・ツァイス投影機2型を整備するシーンが良かったかな。
渋谷の五島プラネタリウム、1度は行ってみたかった。
そのプラネタリウムを直に感じた人にとっては別の思いが感じられそう。


そういえば、主人公が自分の科学を子供に披露する場面多いね。
BRAIN VALLEYの孝岡にもそんなシーンがあったし…。そういうのって、理系少年の夢?