若き数学者のアメリカ (新潮文庫)

若き数学者のアメリカ (新潮文庫)


数学者である筆者のアメリカでの体験記。
単身アメリカに乗り込んで、大胆に行動していく様、悩み、時折見せる冷静な判断や分析。
ほとんどの意見が理に適っていて、かつ、数学者なんだけど、
筆者の文章はThe☆理系みたいな文章ではないので読んでいて楽しい。
ほとんど数学そのものの話は出てこないしね。
アメリカの大学事情についても詳しく、そして分かりやすく書いてあるし、
もう話としては随分前の事のはずなのに、あんまり時代を感じさせない。
情熱、ホームシック、葛藤、アイデンティティ、喜び、人種、学業、
留学についての全てがつめこまれている…と思う。
(残念ながら留学経験が無いので、それは分からないんだけど…)


自分の失態を自虐的に書いてあったり、思わずぷっと笑える箇所も沢山。
授業中に読んでて、つい吹いてしまいましたわ。


アメリカについての考察は一見アリかと。


"Horizon"の話が素敵だったなぁ。