東京タワー (新潮文庫)

東京タワー (新潮文庫)


映画を先に観て「いまいちかな…」という感想だったので、
元々あまり期待はしていませんでした。
といっても、原作と映画版はストーリーが全然違った…。原作の方が私は良いと思う。
(あれは、同じ名前を借りたまったく別の作品だよ…)


不倫ってこんなに綺麗なものなんだろうか?
いや、本だから、空想だから、御伽噺だから、こういうものが手軽に楽しめるのか。
…まぁ、たまにはこういうのを読むのもいいかもしれない。
普段自分からこういう恋愛小説は手を出さないので…。
不倫話だけどあんまりドロドロはしていないので、そういうところは安心して読める。
淡々としていなくて、ストーリーはちゃんとあるんだけど、最後は散漫な印象を受ける。


主人公が男性なのに、すごく男性らしくない。
未婚女性が既婚男性に不倫してるみたい。


意外と、軽井沢のシーンの辺りからある事に気づいたら少々面白く読めてきて、
思った以上に読んでて楽しかった。
正直に言うと、まったく共感できないけど…。
それは、私がこの本を読んで楽しむ年齢ではまだないのかもしれないし、
不倫をこの話のように美しいものだとは思えないからかもしれない。


ただ、江國香織の小説を読むといつも、
こういう綺麗な世界に生まれてればよかったのにとかは思う。