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- 作者: 遠藤周作
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1986/06/27
- メディア: 文庫
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沈黙とコンセプトは似ているのに話が全然違う。
感動したのは人物描写の書き分け。凄い、凄いよ。
謎が多い史実を元にここまで膨らませられる遠藤周作に感服した。
そして、相変わらず日本人のアイデンティティについて考えさせられる。
なるほど、日本でキリスト教が普及しなかった理由も的を得てると思うし、
日本人の性格についても、よく見ていると思う。ベラスコ含むその頃の宣教師達も。
まるで真実を見て書いたよう。
ただの冒険物語じゃなくて、
キリスト教の問題点や、信仰の在り方についてもきちんと言及している。
それも物語中にさり気なく。だけど力強く。
政治の部分も凄く考えさせられるし、沈黙よりこっちの方が好きかもしれない。
現実って厳しい。
最後は不条理さを感じるけど、それすらも受け止めてるよね。ほんとかっこいいなー。