海と毒薬 (新潮文庫)

海と毒薬 (新潮文庫)


遠藤周作、敬遠していたんですけどこの本読んだらがらっと変わりました。


日本人の倫理観に訴えかける本。実験に参加する人の想いや企みは色々なんですけど、やはりキモはドイツから嫁いできた元々異文化人である、ヒルダさんなのではないでしょうかね。
神様がいる人と、いない人の差。

私はひねくれているのでキリスト教徒が皆々ヒルダさんのような人かというと決してそうだとは思わないんですが、
でもやっぱり基本的にただ1つの神様のいない日本人に比べると、ヨーロッパのキリスト教徒にはヒルダさんのような人が多いような気もします。わからんけど。


どちらが良いのかと聞かれると解りません。
戦時中だろうが、戦時中じゃなかろうが、医者の立場であっても、そうでなくても、こんなに重くなくても、皆こういう風な経験はあるような気がする。