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神様のボート (新潮文庫)

江國香織のその綺麗さと設定が噛みあってなかったなーと思う作品。
何でかっていうと、主人公の葉子は母子家庭で、不倫相手は(ネタバレ)で、引越しばかり続けている…っていう背景にしては明らかに綺麗すぎるかなあ、という違和感有り。
その違和感だけが読んでて辛かったです。

でも、話自体は相変わらず好き部類には入っちゃうんですよね…。
設定自体は好きなんですよ。噛みあってないだけで。
夢を見続ける葉子と違って現実を見ている娘・草子はかっこいいです。
彼女がいなかったら、この話はうんざりしたものになるところだったかも。
結局ハッピーエンドになっちゃうんですが、この作品はハッピーエンドじゃ無い方がいいと思う。
それか、ハッピーエンドはハッピーエンドでもあんなんじゃなくて、
葉子が元気になってくれれば、それでいいんじゃないかな。
或いは、自分の道を見つけてくれたらカッコよかったのに。