こころ (新潮文庫)

こころ (新潮文庫)


高校生の時、夏休みの読書感想文のために読んだ本。
いつ読んだかなんて覚えていないので、日付はいい加減です。


昔読んだ本−−−太宰治だとか、川端康成だとか、なんかそういうのはあまり覚えていない本も多いのだけど、この本は、ただその感想文のために1回読み、あと、高校の3年生の授業でやっただけなのに手放した後でもずっと心に残っている。


先生の何気ない言葉が私の中についていて離れない。
それは、(今手元に無いので原文はわからない)「人は善人で生まれてくるのに、一瞬で悪人にさせる物がたった一つだけある、なんだと思う?」みたいな台詞で、
"私"はその答えがあまりに平凡すぎて落胆するのだけど、
私にはその答えは非常に納得出来る物であり、悲しくなるものだった。


決してそれが悪い物では無いって事は解っている。
そして、それを求めない幸せを求める現代人を見ていると疑問がある。
それを求めない幸せを求めるという事は、贅沢を尽くした先にあるうち悲しい物だと思っているから。でも…。


自分のエゴに勝てなかった先生、あの人は強烈過ぎる。私の中にずっといる。