ダンス・ダンス・ダンス(上) (講談社文庫)

ダンス・ダンス・ダンス(上) (講談社文庫)


羊シリーズ続編。雑多な70年代が終わって、80年代突入。高度資本主義社会。安定成長期。
ついでに作者の文体やストーリー構成も変わった…。
今までに比べて、多弁になった気がする。
多分、人それぞれの好みによるんじゃないかな。私は前作までの方が好きかもしれない。
ただ、ねじまき鳥クロニクルノルウェイの森に比べたら、私はこっちの方が圧倒的に好き。


村上春樹にしては珍しく、親子の話が書かれている。
「僕」が正しい親子のあり方みたいなのを言うので凄く吃驚した…。
こうやって読むと、社会の空白って、21世紀の今になっても尚ちっとも解消されてないんだな。
不景気になって「こころの時代」が来たのかと思いきや、
こないだみたいにまた、高度資本主義社会みたいな事が言い出されたり。


前作で悲しい事はありながらもやっと「僕」になんらかの決着がついて
一応終わった終わった〜…。良かった良かった(?)と思ったので、
まだまだ続くんかい、この人は〜…と、呆れてみたり…。(一応これで最後みたいだが)
そのおかげで「僕」に愛着も出てきたけどね。


ところで、「ダンス・ダンス・ダンス」は中国語版で「舞!舞!舞!」
…残念ながらこれの中国版は持ってないけど、ちょっと面白そうに見えるのは、気のせいですか?