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重力ピエロ (新潮文庫)

少し不思議な、仲良し親子の話。
ミステリ風味にはなっているけれど、簡単に予想出来る展開だったなー。
郷田順子の正体も、葛城の事も、泉水の企みや春のことも。

色々な作品の引用とか、歴史的人物の台詞とかが多いんだけど、
それを独特にざくざくと解釈していく泉水と春(＋その他)の台詞回しは面白かった。
相変わらず犯罪に対しての罪は薄いんだけど、
陽気なギャングが地球を回す、とは違って、この話の裏側はかなり暗いし、
(だから、春がした事は悪い事だとは思うけど、理由を考えると…)
最後、春は罪の意識を少なからず感じているわけで、
まだ他２冊しか読んでいないけど、伊坂幸太郎っぽくないかも、とか思った。
背景の重さと、内容、特に登場人物達の軽さが化学反応起こしているような気も。

ただ、泉水と春が幸せになってくれればいいなぁ、なんて余計なお節介を感じた。