またたび (新潮文庫)

またたび (新潮文庫)


さくらももこによる海外旅行エッセイ。
どうしよう。新世紀と世紀末がいっぺんに来たくらい面白くなかった…。


全体的に身内向けの日記…。こんなのお金出して買わなくても
ネットにもっと良い海外旅行記がゴロゴロ転がってるよ〜…な内容。
どの国行ってもやる事は、食べ物、マッサージ、ブランド品、買い物、そればっかり。
旅行の事より内輪話が大半を占めているし。
ね〜…それって同じ事東京でやっちゃ駄目なの…??
せめてそのひとつひとつでももうちょっと感動を伝えてくれればいいのに、
食べ物ひとつひとつに関してもまったく美味しさが伝わってこない…。
(中国雲南省 お茶買いの旅、の回だけは良かった。きっとさくらさんもノリノリだったんだろうね。楽しさが伝わってきた)


旅の仕方は人それぞれ、だけどお金を取って文章を書くとなると…
「プロとしてこれでいいの????」と訊きたい。
ひとつ前に阿刀田高のかなり良い海外旅行記を読んでしまったために余計に酷く見えた。
(しかもそれメインの本じゃなくてコーラン話の一環なんですけど…。)


何が1番いけないって、彼女って「庶民派」として売ってきたわけじゃないですか。
それなのに、大金を手にしてどっかのお金持ちな行動をなぞってるんだよね。
しかも、大金を手にするとこうなるっていう成り上がりの見本市みたいな事ばっかり。
ずーっと庶民派のイメージで売ってきたんだから、こういう事しちゃダメだと思う。
いや、してもいいけど、表に出しちゃダメだと思う。
やたらと有名人の話なんかしちゃだめだし、海外の旅行記なんて書かないほうが絶対に良い。
あくまで、「清水のまるちゃん」として売ってかなきゃダメだよ。
それがヒットしていっぱい稼いで有名になった代わりに、課せられた事じゃないのかな…。