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- 作者: 村上春樹
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2004/09/15
- メディア: 文庫
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先ず1番最初に気に入ったのが、<以下ネタバレ>
デレク・ハートフィールドという架空の作家をあたかも実在の人物のように扱っている事。
あとがきまでそれらしく書いているんだから、作者は本気だ。メタ小説。
これが実在の人物であったら、おそらくこの本は私の中で大変げんなりするものであったと思うけど、架空の人物というのが大変気に入った。私、こういうの大好き。
ネタバレ>
よく考えればわかってしまう事だけど、人によっては…。
今まで読んだ後の作品に比べたらあっさりしていて、
お決まりの村上節みたいなのが無くて、とても丁寧に書かれてる気がした。
デビュー作で「慣れ」が無いからかもしれないけれど。
刹那的で、雰囲気を楽しむような話。
何か言いたいんだかそうじゃないんだか、というなんとなくあやふやな後のに比べたら
そちらに徹底しているようで良いと思うなぁ。
最近はストーリーを態とあやふやにして読者に委ねる方式が流行っているけれど、
それって難しいと思うんですよ。
ちょっとそれらしくすれば手抜きみたいに見えるし、読んでて面白くなくなっちゃう。
そういう物に食傷気味だったけれど、これは良かった。
タイトルのようにするっと読めました。