日出る国の工場 (新潮文庫)

日出る国の工場 (新潮文庫)


人の体験記というのは大概面白いモノだけれど、
村上春樹はその辺り文章も中々しっかりしてるから余計面白い。


残念な事に20年近く前の体験なので、
消しゴム工場の締めの文章のように今ではかなり状況も技術も大分変わっていると思う。
事実、国内の輸送技術の発達により工場は昔よりもっと郊外化が進んでいるだろうし、
中国や東南アジアのお安く済む地域にどんどん建てちゃってるし。
逆に言えば、もっと凄いものも今なら見られるかもしれないわけで。
風情は無いのかもしれないけど。
作者も最初に言ってるお菓子工場の見学体験があれば、尚良かったなぁ。
私が体験した工場見学といえば…車工場とか。有名だけど素晴らしい流れ作業だった。


ねじまき鳥クロニクルを読んだ後だったので、
あ、笠原メイの原点はここかって思えたのも良かった。


隙間産業の日常を垣間見るのも大好きだけど、
こういう物作りでクリエイティブな作業を見るのも私は好きなんだな。
工場見学行きたいー。そうだ、行こー!!